ハロウィン・ナイト

1. ハロウィン・ナイト［05:06］

作詞：秋元康／作曲・編曲：井上ヨシマサ

　GREE・ディップ・アサヒ飲料CMソング、及び、フジテレビ夏のイベント「お台場夢大陸～ドリームメガナツマツリ～」テーマソング。41stシングル選抜総選挙上位16名が歌唱する。グルーヴィーなエレキギターと、陽気なブラス・パーカッションが響く楽曲。「Halloween nightに仮装して踊ろう！」と歌うディスコチューンとなっている。「馬鹿になって嫌なことを忘れて、年に一度のカーニバルを楽しもう！」と軽快に歌う、ディスコティックなハロウィン・ソングである。尚、この曲にはミュージシャンクレジットが表記されている。

　この曲の作曲・編曲は、AKB48表題曲を多数手掛けた井上ヨシマサで、前奏・後奏で聴こえる男声コーラス等も手掛けた。自著『神曲ができるまで』によると、本作の準備は総選挙前から進行しており、井上氏は開票日までに9曲制作し、総合プロデューサー・秋元康の元に送っていた。ところが、総選挙で指原莉乃が首位となったことで、秋元氏は井上氏に「みんなで踊れるダンス曲がいい」と注文、先の9曲は事実上没となった。井上氏は、秋元氏からの「70年代ディスコ調」というリクエストにやる気を出し、良いメロディーを考案するも、「もっとイケイケにできるのでは」とメロディーの変更を繰り返し、自分を追い込んでしまっていたと述べた（最終的にサビのメロディーは先述の良いメロディーに落ち着いた）。ちなみに、この曲のテーマである「ハロウィン」は、制作途中で決定した後付け設定である（エキレビ！ より）。

2. さよならサーフボード［05:00］

作詞：秋元康／作曲・編曲：井上ヨシマサ

　Type A・B・劇場盤収録楽曲。アンダーガールズが歌唱する。卒業を機に彼女と疎遠になり破局した主人公が、海に来て彼女との夏の思い出を懐かしむ楽曲となっている。サビでブラスが高らかに鳴る明るい楽曲だが、そのサビで彼女とサーフィンを楽しんだあの頃を描いているため、1番サビを聴いた後だと、ブラスが鳴っていないAメロ・Bメロがどこか寂しく感じる。更に、後奏で鳴るストリングスが、恋の気圧のバランスを取れなかった主人公の後悔のように聴こえる。「あの頃のように白いビーチから手を振って欲しい…」という、決して叶わぬ願望が切なくなる、夏と恋の終わりを描いたセンチメンタル・ラブソングである。

　個人的には、恋のアンバランスを曲の世界観に合わせて的確に言い表した、2番Bメロの「ワイプアウト」が好きである（「ワイプアウト」は、意図せずサーフボードから落下することを指すサーフィン用語である）。尚、この曲の作曲・編曲は井上ヨシマサで、表題曲同様、ミュージシャンクレジットが表記されている。

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3. 君にウェディングドレスを…［04:51］

作詞：秋元康／作曲：福田貴訓／編曲：野中"まさ"雄一

• Guitar：堀崎翔
• Soprano Saxophone：仲智唯

　Type A収録楽曲。フューチャーガールズが歌唱する。教会を彷彿とさせるオルガンから始まる楽曲。「君」と「僕」の結婚式の軌跡を優しく歌っている。曲中では、二人が過ごした宝物の日々の話が登場（「貧乏ゆえにダイヤが買えず、安い指輪を贈り合った」「経緯を知った店の人が、何年先でも構わないと予約カードをくれた」等）。それらを踏まえた上で聴くと、二人の結婚を心から祝福したくなる。聴けば胸がいっぱいになるほどしあわせになれる、深い愛を感じられるブライダル・ソングである。

　個人的には、前述した歌詞の内容と、神秘的な世界観を醸し出す音色が好きである。また、1番Aメロで登場する「世界で一番のプレゼント」の伏線を回収したラスサビも好きである。尚、上記のミュージシャンクレジットは、堀崎翔と仲智唯が自身のブログで公表した（堀崎氏のブログ ・仲智氏のブログ 参照）。

4. 君だけが秋めいていた［04:30］

作詞：秋元康／作曲：奥田もとい／編曲：久下真音

　Type B収録楽曲。アップカミングガールズが歌唱する。9月の終わりに、秋めいた姿の「君」に戸惑う半袖シャツの「僕」を描いた楽曲となっている。ブラスやシンセサウンド等、比較的明るい音色で構成。だが、歌詞やピアノサウンドからは、そこはかとない切なさや寂しさを感じることができる。移りゆく時間を生きる「君」と、そんな「君」をいつまでも好きでいる「僕」の対比が切ない、9月の終わりに聴きたい一曲である。尚、ギター演奏は白鳥義一が務めた（Twitter より）。

5. 水の中の伝導率［04:33］

作詞：秋元康／作曲：田中俊亮／編曲：佐々木裕

　Type C・D収録楽曲。ネクストガールズが歌唱する。シンセサイザーとエレキギターが特徴的なクールナンバー。音色の中に、痺れる要素が多数盛り込まれている（個人的には、前奏・間奏・後奏のセクシーな息遣い、サビの「愛のエナジー伝導率は」「水が愛の邪魔をしている」で徐々に上がるシンセサウンド、水中に走る電流を思わせる間奏のエレキギター、ラスサビの「愛のエナジー伝導率は」直後や後奏の儚げなピアノが好きである）。好きな人への想いの強さを伝導率（電気の通しやすさを表す指標）で例えた、編曲・佐々木裕のクール要素が詰め込まれた楽曲である。

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6. 一歩目音頭［04:00］

作詞：秋元康／作曲：福田貴史／編曲：福田貴史・福田大輔

　Type C収録楽曲。AKB48公式盆踊りソング。作曲・編曲は48グループの楽曲提供が多い福田貴史で、編曲は実兄の尺八奏者・福田大輔と共同で手掛けた（福田大輔のブログ より）。Aメロ＋サビが4番まである楽曲で、尺八・和太鼓・鉦といった和楽器が多数使われている。櫓太鼓が響く祭りで「あなた」と盆踊りを楽しむ、ひと夏の夜を彩るはんなり音頭である。個人的には、曲中の女声コーラスが、岩佐美咲の3rdシングル収録曲「恋するフォーチュンクッキー〈演歌バージョン〉」と同じに聴こえた。

7. ヤンキーマシンガン［04:00］

作詞：秋元康／作曲・編曲：ツキダタダシ

　Type D収録楽曲。自身主演ドラマ「マジすか学園5」主題歌。おたべ（横山由依）の台詞「売られた喧嘩は、いつでも…買うで！」から始まる楽曲。エレキギターが縦横無尽に暴れる楽曲で、「女子高生とヤクザの抗争」を描いたドラマに相応しい音色となっている。全体的に不穏な雰囲気を漂わせているが、時折聴こえるブラス及びビブラスラップが、緊張感を程よく緩和させている。「相手が誰でも戦争するぜ！」と高らかに宣言する、ヤンキーの底力が窺える一曲である。個人的には、マシンガンの乱射に聴こえるエレキギターと、時折聴こえる女声の「HA!」、Aメロ「生まれる」「なるんだ」の上ハモが好きである。

8. 群像［04:31］

作詞：秋元康／作曲・編曲：和田耕平

　劇場盤収録楽曲。自身主演ドラマ「マジすか学園5」ED曲。「ヤンキーマシンガン」のベース・和田耕平が作曲・編曲を務めた（ツキダタダシのTwitter より）。トランペットが特徴的な暗めの楽曲。暮れなずむ美しい空を思わせる音色を背に、青春の日々を回顧する姿を描いている。青春の群像に想いを馳せずにはいられない、切なさ・哀しさ・虚しさを感じる一曲である。尚、2番Bメロの「暮れなずむ」は、日が暮れそうで暮れない状態を指す動詞である。また、ベース演奏は和田氏が務めた（ツキダ氏のTwitter より）。

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