君の名は希望

1. 君の名は希望［05:25］

作詞：秋元康／作曲：杉山勝彦／編曲：杉山勝彦・有木竜郎

　2014年公開の秋元真夏・生田絵梨花・橋本奈々未主演映画「超能力研究部の3人」主題歌。作曲・編曲は杉山勝彦（編曲は有木竜郎と共作）で、前作「制服のマネキン」に続く提供となった（シングル表題曲を同じ作曲者が連続で手掛けるのは、乃木坂46では初である）。

　杉山氏が風呂上がりにボイスメモに入れていたAメロの先を、アイドル用に16ビート→8ビートに変更、BPM140で鳴らしたことで誕生した。その後、総合プロデューサー・秋元康とのやり取りで、「駆け上がりを軽快に」「ピアノを優しい音色に」して完成。「Aメロ→Bメロ→Aメロ→サビ」の大ロンド形式で構成された、ピアノが似合う合唱向きの楽曲に仕上がった。

　透明人間と呼ばれて生気を失っていた「僕」が、転がってきたボールを拾おうとした際に「君」に気づいてもらい、それを機に自我に目覚め「君」を意識するまでの過程と、「君」に対する「僕」の想いを綴った楽曲となっている。秋元氏曰く、5作連続でセンターを務め心身共に疲れ果てていた生駒里奈を、「乃木坂46の希望」であるとイメージして書かれた（modelpress より）。2015年の第66回NHK紅白歌合戦に初出場した際の歌唱曲であり、2016年からは東京メトロ千代田線・乃木坂駅の発車メロディー（生田絵梨花のピアノ演奏音源）に使用される等、「乃木坂46の代表曲」「乃木坂46を定義づけた曲」として多数の称賛を得ている。乃木坂46の歴史に必要不可欠な、優しくて温かい感涙ピアノラブソングである。

　個人的には、「僕」に生きる希望や世界の美しさ、恋の切なさや愛の素晴らしさを教えた「君」の存在に感銘を覚えた。「君」は「僕」がボールを拾うのを見て待っていただけだが、存在を否定され孤独に陥っていた「僕」にとっては、自分の存在を認めてくれた、絶望を「希望」に変えた行動だったわけである。個人的にはこの楽曲から、「さりげなく何気ない言動が、時として人に希望を与えることがある」ことを教わった。その点でも、この曲はまさに至高の一曲と言える。

2. シャキイズム［04:12］

作詞：秋元康／作曲・編曲：岡本健介

　共通カップリング曲。ハウス食品「メガシャキ」「ギガシャキ」CMソング。選抜メンバーが歌唱する。勇気ある男子の告白を受けた主人公が、イケていない恋人に対して「シャキッとしてちょうだい！」と活を入れる楽曲。タイアップにちなんで、サビでは「シャキ」が頻出する。メンバーの可愛い歌声で士気をシャキッと上げられる楽曲である。個人的には、サビの転調には、Bメロまでの展開をシャキッと転換させる狙いがあるのでは思った。尚、この楽曲はライブの定番曲として、2ndアルバム「それぞれの椅子」Type-Dにも収録された。

3. ロマンティックいか焼き［04:29］

作詞：秋元康／作曲：横健介／編曲：重永亮介

　Type-A収録楽曲。選抜メンバーが歌唱する。輝く海を想像させる煌びやかな音色が特徴。サビでは、「ロマンティックいか焼き」や「サディスティックかき氷」と、印象的な造語が繰り返し登場している。「好きな人となら、どんな食べ物も美味しく感じる」と歌った、微笑ましい夏の恋の歌である。個人的には、前述の音色と、合いの手が打ちやすい歌詞の（）が好きである。尚、この楽曲はライブの定番曲として、2ndアルバム「それぞれの椅子」Type-Dにも収録された。

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4. 13日の金曜日［03:42］

作詞：秋元康／作曲：網本ナオノブ／編曲：湯浅篤

　Type-B収録楽曲。アンダーメンバーが歌唱する。ピアノとストリングス中心の明るいサウンドで、欧米を中心に忌み嫌われる13日の金曜日に映画館デートを楽しむカップルを描いている。「13日の金曜日だけど、嫌なことを考えずに逆に楽しもう！」という、主人公の天真爛漫さが窺える楽曲である。尚、この楽曲は、1stアルバム発売に先駆けたカップリング曲人気投票で8位を獲得し、1stアルバム「透明な色」Disc2に収録された。

5. でこぴん［04:42］

作詞：秋元康／作曲・編曲：中土智博

　Type-C収録楽曲。年長メンバーが歌唱する。仲間とのトランプの罰ゲームで、気になっている友達の元カレからでこぴんを食らう女子を描いた、煌めくシンセサウンドが魅力的な楽曲である。歌詞には、トランプのゲームとして、ブタノシッポ・ババ抜き・七並べ・神経衰弱・51が登場する。尚、公式MV のサビで、左から深川麻衣・橋本奈々未・白石麻衣・松村沙友理・高山一実の順に並ぶシーンがあるが、偶然にもこの順番通りにグループを卒業している。

6. サイコキネシスの可能性［04:00］

作詞：秋元康／作曲：杉山勝彦・小倉しんこう／編曲：京田誠一

　通常盤収録楽曲。好きな人に告白できない主人公が、好きな人の方から来てくれるといいなと祈る楽曲である。個人的には、諺「思う念力岩をも通す」に絡めた2番Aメロの歌詞「恋する力は岩をも通す」が好きである。

　尚、2番Aメロにある「サイコキネシスとテレキネシスの違い」は、前者（Psychokinesis）が物体をエネルギーで押して動かす他動的な能力（≒念力）、後者（Telekinesis）が物体自体にエネルギーを送り込んで動かす自動的な現象で、物体に対する力の働きかけの違いと言える（ピクシブ百科事典 より）。この楽曲では、好きな人が主人公の両手の中に来るように念力を放っている描写があるので、前者のサイコキネシスの要素が強いと思われる。ただ、ハートに向かって念力を放ち自主的に来るようにしている描写もあるため、後者のテレキネシスの要素もあると言える。

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