概説
楽曲一覧
- ノスタルジア[05:39]
- Sound Produced by 島田昌典
- Drums:佐野康夫
- E.Bass:沖山優司
- E. & A.Guitar:藤井謙二
- Piano & Tambourine:島田昌典
- Strings:弦一徹ストリングス
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映画「時をかける少女」主題歌。インディーズ1stアルバム収録曲のリアレンジで、リリースに伴い再度レコーディング。歌詞の一部変更とラスサビの追加もなされた(そのため、原曲より約17秒長くなった)。「あなた」と別れた「私」の悲哀を描いた楽曲。冷たい雨が降り頻る情景が浮かぶ音色で、「あなた」に対する未練の強さが窺える歌詞となっている。だが、「いとしさを超えて 悲しみを捨てて 新しい私に 今出会うの」からは、やがて訪れる素敵な未来・きらめく明日のために、失恋を乗り越えようとする姿が読み取れる。失恋の悲しみと成長過程を歌った、ノスタルジア(追憶に伴う哀しさ)を感じられる一曲である。
尚、この曲はインディーズ時代からの勝負曲で、路上ライブで通行人を止める時に歌唱していた。また、当初映画サイドは、「脚本を読んだ上で新曲を書き下ろして欲しい」と依頼していたが、スタッフの助言を受けて歌詞を見直した水野が、映画の内容とマッチしていると思い映画サイドに聴かせたところ、映画サイドが気に入り主題歌に決定した。
ちなみにこの楽曲は、当時19歳の水野が仮面浪人時代に書いた3~4曲目の楽曲で、「女言葉で書いてみよう」という気まぐれで制作した。だが、吉岡のスランプ時期にこの曲を持って行ったところ、歌詞を読んだ吉岡に「こんな未練たらしい女の歌は歌いたくない」と突っ撥ねられた(映画のストーリーに合わせるため歌詞が変更されているが、当時は完全に失恋の楽曲だった)。しかし今では、「主人公の気持ちに没入し過ぎず、曲全体の色を朗読するように歌う」ようになれており、歌唱の吉岡も制作の水野も、今の「ノスタルジア」の方がいいと評した。
個人的には、前奏のドラムと曲全体のストリングス、「私」の慟哭のように聴こえる、1番A'メロのエレキギターが好きである。尚、2ndベストアルバムDISC4には、インディーズ1stアルバム収録の歌詞に戻したヴァージョンが、水野良樹泣きの一曲「ノスタルジア -Original Lyrics ver.-」として収録されている(但し、演奏・構成は本作収録のヴァージョンと同じなため、完全にインディーズ版と同じではない)。
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- 時をかける少女[04:11]
作詞・作曲:松任谷由実/編曲:江口亮
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映画「時をかける少女」挿入歌。1983年4月21日に発売された、原田知世の3rdシングルのカヴァーである。原曲の編曲が松任谷正隆であるのに対し、この曲では江口亮が編曲を担当。ドラム・キーボードが幻想的な原曲と異なり、ドラム・ギター・タンバリンが目立つ爽やかな音色となっている。また、山下演奏と思しきハーモニカも鳴っており、吉岡の歌声と併せて「いきものがかりらしさ」を感じることができる。時をかける天衣無縫な少女の笑顔が浮かぶ、原曲にない魅力を感じる一曲である。
尚、吉岡はカヴァーに伴い、「原曲の裏声部分は地声で歌う」「なるべくニュアンスを付けずに歌う」ことを心掛けた。また、完成した楽曲を聴いた水野は、「僕ら(水野・山下)以外の他の人が曲を作っても、いきものがかりでやれる時があるかもしれない」と述べた。ちなみに、カヴァー曲の収録は、5thシングル「うるわしきひと/青春のとびら」以来となった。
- YELL -合唱付-[05:59]
作詞・作曲:水野良樹/編曲:松任谷正隆/合唱編曲:鷹羽弘晃
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15thシングル収録曲「YELL」の合唱付きヴァージョン。合唱編曲は、作曲家・ピアニスト・指揮者の鷹羽弘晃が務めた。合唱は、NHK児童合唱団が担当。2番サビ後のCメロから、伸びやかな歌声を披露している。音楽ホールで、合唱団をバックにパフォーマンスを行う、いきものがかりの姿が浮かぶ楽曲である。
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