西瓜BABY

1. 西瓜BABY［04:10］

作詞：秋元康／作曲：上田晃司／編曲：野中"まさ"雄一

　エムアイティー「music.jp」CMソング。久しぶりに帰ってきた故郷で同級生への恋心に気づいた男の子の気持ちを、西瓜の瑞々しさ等で表現した恋愛ソングである（ORICON MUSIC より）。編曲・野中"まさ"雄一によるブラス・ギターサウンドが痛快で、真夏の暑さや青春の爽やかさ、離れて気づいた「君」への恋しさ等がたっぷり詰め込まれている。真夏の恋心を明るく爽やかに彩った、西瓜のように魅力が凝縮された楽曲である。個人的には、曲全体の疾走感ある音色が好きである。

2. 希望の花［04:58］

作詞：秋元康／作曲：小内喜文／編曲：野中"まさ"雄一

　共通カップリング曲。無理だと思って放置していた希望の花が、心の片隅でそっと咲く姿を描いている。拗ねる心に寄り添うようなピアノとアコースティックギターが特徴で、実らない努力・他人との比較・自己嫌悪の様子を、「夢のタネ」「芽」「畑」といった花の関連用語で表現している。「拗ねたり苛立ったりしても希望の花はちゃんと咲く、だから諦めずに咲かせる努力をしよう」と歌う、努力する人に向けた優しい楽曲である。個人的には歌詞全編が好きだが、特に2番Bメロの「生きることは 死なないこと いつかが来るまで 生きてこう」が好きである。

3. 不毛な夜［04:37］

作詞：秋元康／作曲：春行／編曲：野中"まさ"雄一

　Type-A収録楽曲。世界を創造する力がないことや、批判ばかりしていることに自己嫌悪する様子を描いている。スクラッチのような音と絶望を思わせるエレキギターが特徴的で、軽蔑・拒絶・嫉妬・矛盾・欺瞞といった曲の負の世界観を見事に表現している。生きるのが苦しくなる不毛な夜の嘆きを歌った、表題曲とは正反対の闇に溢れた楽曲である。個人的には、Aメロ直前のスクラッチのような音が好きである。

4. guilty love［04:27］

作詞：北原里英／作曲：平義隆／編曲：野中"まさ"雄一

　Type-B収録楽曲。総合プロデューサーの秋元康からGoogle+越しに指名を受けた北原里英が、初の作詞を手掛けた。「許されざる愛」を題材とした題名通りの楽曲で、世間の冷たい視線を浴びながら、既婚者と禁断の恋に堕ちる女性を描いている。歌詞には、結婚指輪を指す「華奢な指に光るあなたの 幸せの証」や、「環状線」「背徳的行為」等、知性を思わせる表現や語彙力の高い言葉が登場している。罪の恋に溺れる女性の渦巻く感情を生々しく描いた、初作詞とは思えない完成度の高い楽曲である。

　この楽曲は、AKB48メンバーが自身の楽曲の作詞を公表した初の楽曲となった（但し、初のメンバー作詞楽曲は、板野友美の3rdシングル収録曲「lose-lose」である）。個人的には、曲全体（特に最初）のドラムサウンドが好きである。尚、歌詞について北原は「自分的には納得のいく作品になった」と回答。大島は「すごく良くて頭脳プレーな詞」、指原は「ドロドロ。ふかい。すごい。」と評価した（MANTAN WEB より）。

5. May［03:57］

作詞：秋元康／作曲：松尾清憲／編曲：武藤星児

　Type-C収録楽曲。横山由依のソロ楽曲。編曲・武藤星児の特徴であるブラスサウンドが映える歌謡曲となっている。部屋を出て行った恋人Mayを想う姿を描いた、喪失感・寂寥感が際立つ切ない楽曲である。尚、この楽曲が初のソロ歌唱となった横山は、一本調子の声が弱点であり特徴でもあると分析しており、レコーディングの際はスタッフと相談し、曲中で頻出する「May」の歌い方を変えてメリハリをつけるようにしたと述べた（MANTAN WEB ・ORICON MUSIC より）。個人的には、そんな横山の高音の歌声が好きである。

6. アイサレルトイウコト（Not yet ver.）［04:32］

作詞：秋元康／作曲：山崎燿／編曲：松浦晃久

This is track contains samples from "アイサレルトイウコト"
performed by ICE from AKB48 under license from Defstar Records Inc.

　Type-D収録楽曲。2007年リリースのOVA「ICE」主題歌「アイサレルトイウコト」のNot yet 歌唱ヴァージョンである（原曲は、声優を務めたメンバーによるユニット・ICE from AKB48（今井優・小野恵令奈・大島優子・河西智美・佐藤夏希）が歌唱した）。荒廃する世界を思わせる暗いサウンドの楽曲だが、歌詞は「アイサレルトイウコト 人は1人じゃ 生きて行けない」「アイサレテイルダケデ なぜか誰もが やさしくなれる」等、愛情や人肌を感じられるものになっている。愛されることの大切さや尊さを切なげに歌った楽曲である。

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