おいでシャンプー

1. おいでシャンプー［04:08］

作詞：秋元康／作曲：小田切大／編曲：TATOO

　HTC J ISW13HT（台湾製スマートフォン）CMソング。爽快なピアノグリッサンドから始まるフレンチポップスで、長い髪の「君」にときめく男子の気持ちを描いている。「白い半袖のシャツを着て、水のないプールを掃除する」という、青春要素満載のシチュエーションで展開。「夏の陽射し」「ホースの先で作る虹」「額の汗」が、清涼感を更に増している。「清楚」「上品」という乃木坂46のイメージを確立させた、爽やかかつ鮮やかな青春ラブソングである。

　個人的には、前奏・ラスサビ直前のピアノグリッサンドが好きである。また、曲中で聴こえるハープらしき音色が、シャンプーと「君」の甘い香りを表現しているように聴こえた。

　尚、この曲の間奏では、七福神の一人である中田花奈の専用コール「ナカダカナシカ」を入れることが定番となっている（ファンの呼びかけによる自然発生で、明確な起源は不明である）。このことから、中田のイメージが強い楽曲であり、2020年9月30日放送のテレ東音楽祭では、年内に卒業を発表していた中田が、この楽曲のセンターを務めた。また、振付は前作同様、南流石が務めたが、間奏の一部振付に批判が殺到、後に変更された（公式サイト より）。

2. 心の薬［03:46］

作詞：秋元康／作曲：MIKOTO／編曲：木之下慶行

　共通カップリング曲。ピアノ・オルガン・アコースティックギター中心の優しい音色で、「嫌なことがあった日には、泣いて深呼吸をして笑顔になろう」と慰める楽曲である。歌詞には、「胸に溜まってる 悲しみ 吐き出そう」「暗い顔してちゃ チャンスも逃げちゃうよ」等の励ます言葉の他、「人はそう誰も 胸の内側 身勝手なナイフを 隠しているよ」といった、正鵠を射た言葉も登場している。落ち込んだり凹んだりした時に聴きたい、心の薬・愛の処方箋と言える楽曲である。

　個人的には、最初の高速ピアノパートと、Aメロ終わり・後奏のハープのような音色が好きである。尚、ブックレットの歌唱メンバーは五十音順に表記されているが、永島聖羅と中田花奈の位置が「中田花奈、永島聖羅」と逆になっている。

3. 偶然を言い訳にして［03:47］

作詞：秋元康／作曲：坂部大介／編曲：中土智博

　Type-A収録楽曲。年長組4名が歌唱する。煌びやかなシンセサウンドと、痛快なエレキギターが響く楽曲。久しぶりの渋谷で、気になっていた憧れの人とすれ違った主人公が、偶然を言い訳にして話しかけようと奮闘する姿を描いている。曲中では、渋谷の名所の「Parco」「NHK」「公園通り」や、憧れの人を例えた「ジョニーデップ」、声を掛けようと尾行する主人公を例えた「コバンザメ」等、興味深い単語が多数登場している。偶然から始まりそうな一つの恋を歌った、ポップでスタイリッシュな楽曲である。

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4. 水玉模様［03:51］

作詞：秋元康／作曲・編曲：若田部誠

　Type-B収録楽曲。生駒里奈のソロ楽曲（乃木坂46初のソロ楽曲である）。作曲・編曲は、前田敦子のソロデビュー楽曲「Flower」を手掛けた若田部誠。ピアノ・アコースティックギター・ストリングス中心の歌謡曲で、都会へ旅立つ恋人との別れに強がる少女を描いている。歌声や間奏の台詞からは、生駒の初々しさやたどたどしさが分かりやすく伝わってくる。複雑で繊細な16歳の心境を描いた切ない楽曲である。個人的には、少女の瞳から出た熱いものを思わせる、サビ途中「影がある」「感情で」直後のピアノサウンドが好きである。

5. 狼に口笛を［02:58］

作詞：秋元康／作曲：Akira Sunset／編曲：シライシ紗トリ

　Type-C収録楽曲。アンダーメンバーが歌唱する。フレンチポップスの表題曲とは対照的な、エレキギター中心のロックンロール。闘う遺伝子を持つ狼に、「誰かに牙を剥いて噛みつくより、口笛で愛のメロディーを口ずさもうよ」と諭す歌詞となっている。「奪い合うより微笑もう」「過去を忘れて今を生きよう」と歌う、力強くてやさしい歌である。尚、この楽曲は、乃木坂46の楽曲で最も短い楽曲である（前奏曲の「OVERTURE」や、アニメ用に編集された「指望遠鏡～アニメ版～」を除く）。

　この楽曲は、音楽ユニット・Safariiの契約終了で音楽作家に転向した、Akira Sunsetの乃木坂46初提供楽曲である。「何をすればコンペに勝てるか」を意識して書いた曲で、「清楚系の曲は沢山集まるだろう」という推察の下、乃木坂46らしくないエッジの効いた楽曲となっている（元は更にハードな曲調だった）。Akira Sunsetはこの楽曲の採用を受けて、「人がやらないことをやる」というやり方で行こうと確信したため、この楽曲はAkira Sunsetの音楽作家としての指針を決めた楽曲となった（Real Sound より）。

6. ハウス！［05:06］

作詞：秋元康／作曲・編曲：y@suo ohtani

　通常盤収録楽曲。自身初の冠ラジオ番組「乃木坂46の「の」」OP曲。ドライブを終えて家に送ってもらった主人公が、寂しそうにする恋人をあやす楽曲となっている。サビの「好き 好き 好きよ」では、メンバーが合間に可愛く「好き♡」と呟いている。更に、最後の「ハウス！」は溌剌とした声で叫んでおり、元気さと瑞々しさが同時に伝わってくる。聴く度にどんどん虜になってゆく、乃木坂46初の盛り上がる楽曲である。尚、この曲はライブの定番曲として、2ndアルバム「それぞれの椅子」Type-Dにも収録された。

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