概説
前作「何度目の青空か?」から約5か月ぶりのシングルである。
Type-A・B・C・通常盤の4形態で発売された。
本作より、歌唱楽曲を全て収録した配信限定の「コンプリートパック」が、各種音楽ストリーミングサービスで配信されるようになった。
全体的に、切なく儚い楽曲が多い印象的を受けた。
楽曲一覧
- 命は美しい[05:17]
作詞:秋元康/作曲・編曲:Hiroki Sagawa
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はるやま商事・755CMソング。神秘的・幻想的なピアノメインの楽曲で、「背に受ける月の雫」「風に揺れる一枚の葉」「地平線から差し込んだ藍色の陽」と、情景が浮かぶような楽曲となっている。「命」という意味深で重いテーマを扱っており、歌声も前奏の「HA…HA…HA…」等、全体的に花のような儚さを帯びている。「"何のために生きるのか?何のために生きてるか?" その答えが見つからなくても、美しく逞しい命を捨てずに生きよう」と歌う、命の重さ・美しさを説いたダンスナンバーである。個人的には、前述のピアノと全体の歌詞、ラスサビ直前の雫のSEが好きである。
尚、「命は美しい」という題名について、総合プロデューサーの秋元康は、企画段階から「俺はこれでいいと思ってるんだ」と覚悟を決めていた。それを受け、乃木坂46運営委員会委員長・今野義雄は、こちらとしてはそれを全うに見せるべきだと決心した(Real Sound より)。また、秋元氏は、「命は大切だというメッセージを、アイドルが歌うからこそ届くこともある。『命は美しい…確かにそうだよな』と考える入り口になってくれたらいい」と2022年6月17日放送のMUSIC BLOOD で語った。
- あらかじめ語られるロマンス[04:56]
作詞:秋元康/作曲・編曲:SoichiroK・Nozomu.S
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共通カップリング曲。音楽ユニット・Soulife(河田総一郎・佐々木望)が作曲・編曲を務めた。科学的根拠のなさを理由に占いを信じていなかった少女が、恋を機に星座占いに興味を持つ様子を描写。サビの前後には、黄道十二星座の英語や可愛らしい「It's in the 12 sings」が登場している。美しい星空と時めく恋心、ロマンティックな伝説を歌ったラブソングである。個人的には、前述の歌詞の他、サビ途中の「It's in the 12 sings」のコーラスと、煌めく星を思わせるエレキギターとブラスが好きである。
- 立ち直り中[04:44]
作詞:秋元康/作曲:福田貴史/編曲:TATOO
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Type-A収録楽曲。白石麻衣出演「Palty」CMソング。発売時点で20歳以上のメンバー7名が歌唱する。切なく哀しいピアノメインの楽曲。恋人だった「あなた」と別れた主人公が、「あなた」との思い出の地を訪れる様子を描いている。傷心を癒やす姿に激しく胸が締め付けられる、年長組だからこそ歌える切ないバラードである。個人的には、曲全体のピアノ & タンバリンと、1番Bメロで登場する風鈴の音が鳴る前奏、1番Aメロの情景描写と2番サビの「リハビリ中」、失恋の癒しを説いた落ちサビの歌詞が好きである。尚、1番Aメロで登場する「大勝軒 」は、東京都杉並区・永福町駅前等に店を構えるラーメン屋・中華料理屋である。
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- ごめんね ずっと…[05:31]
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Type-B収録楽曲。西野七瀬が歌唱する。他に好きな人ができた「あなた」に振られる「私」を描写。心変わりに気づけなかったことと、ずっとわがままに付き合ってくれたことに対する謝罪と感謝を歌っている。西野の儚い歌声が魅力的で、前回のソロ楽曲「ひとりよがり」と通じる部分が多数ある。恋に未熟だった「私」の失恋と成長を歌った、涙腺を刺激される感涙のバラードである。個人的には、「私」の涙を「天気雨」と表現したBメロと、ラスサビの「愛とは相手のことを思いやる強さ」が好きである。
- 君は僕と会わない方がよかったのかな[05:06]
作詞:秋元康/作曲・編曲:Akira Sunset・ha-j
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Type-C収録楽曲。アンダーメンバーが歌唱する。波乗り作詞作曲家のAkira Sunsetが、嵐で有名な編曲家・ha-jと作曲・編曲を務めた(ha-j初の坂道シリーズ提供楽曲である)。尚、この二人は、後に音楽作家事務所・HOVERBOARDを設立した(Real Sound より)。
恋人の「君」と別れた「僕」が、「君は僕と会わない方がよかったのかな…」と後悔に暮れる楽曲。素直になれずに悲しませたこと、別れた今も好きなことがひしひしと伝わる歌詞となっている。また、楽曲を構成するオルガン・アコースティックギターも、切なさを帯びていて非常に秀逸。特に、前奏・間奏・後奏で鳴るブルースハープが、「僕」の不甲斐なさ・遣る瀬なさを存分に表している。失恋の切なさ・悲しさ・辛さ・悔しさをここぞとばかりに表現した、珠玉のネオフォークナンバーである。
個人的には、歌詞・旋律・音色・歌声全てが好きな、本作収録楽曲の中で最も好きな楽曲である。特に、前述した音色と「タイムマシン」から始まるCメロ、「運命は」から始まるラスサビ前Bメロと、最後の「だって 今も好きなんだ」が好きである。
この楽曲のセンターは1期生・中元日芽香で、自身初のセンター楽曲となった。その中元を慕う3期生・久保史緒里は、2018年10月1日のブログ「リスタート 」で、「自分のために叶えたいと思えた夢ができた」と綴った(その夢は、ライブでこの楽曲を歌ったことを中元に伝えることである)。そして、2019年2月24日、乃木坂46 7th YEAR BIRTHDAY LIVEの最終日で、自身がセンターに立ったこの楽曲を披露。自身の夢と楽曲ボードに記した願い「大切な人に届きますように」を見事に叶えることができた(Real Sound より)。
尚、Akira Sunsetによると、人が書かない変わった曲を書いてきて、そろそろストレートに良い曲を書きたいと思い制作。同時期制作楽曲にはオマージュがスパイスとして仕込まれている。また、前述のブルースハープは自身が演奏。部屋で録音した音色が大きな会場で鳴り響くのは感動だと述べた(Twitter より)。
- ボーダー[04:39]
作詞:秋元康/作曲・編曲:中土智博
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通常盤収録楽曲。2015年2月22日に正規メンバーへ昇格した2期生6名が歌唱する。ギター・キーボードサウンドが映える楽曲で、「明日・自由・平和のためにボーダーを越えよう」と歌っている。綺麗な音色と前向きな歌詞が特徴的な、未来の希望を感じさせる一曲である。個人的には、Dメロの「ねえ 消えただろう 目の前のボーダー 何もないよ」が、正規メンバーと研究生のボーダー(境界)が消えたことを指していると感じた。
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歌唱メンバー
※ センターポジションは赤で表示命は美しい |
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秋元真夏・生田絵梨花・生駒里奈・伊藤万理華・衛藤美彩・齋藤飛鳥・相楽伊織・桜井玲香・白石麻衣・高山一実・西野七瀬・橋本奈々未・深川麻衣・星野みなみ・堀未央奈・松井玲奈・松村沙友理・若月佑美 |
あらかじめ語られるロマンス |
生田絵梨花・生駒里奈・伊藤万理華・齋藤飛鳥・星野みなみ・堀未央奈 |
立ち直り中 |
秋元真夏・衛藤美彩・白石麻衣・高山一実・橋本奈々未・深川麻衣・松村沙友理 |
君は僕と会わない方がよかったのかな |
伊藤かりん・井上小百合・川後陽菜・川村真洋・北野日奈子・斎藤ちはる・斉藤優里・新内眞衣・中田花奈・中元日芽香・永島聖羅・能條愛未・樋口日奈・和田まあや |
ボーダー |
伊藤純奈・佐々木琴子・鈴木絢音・寺田蘭世・山﨑怜奈・渡辺みり愛 |
演奏者
命は美しい
- E. & A.Guitar:サイトウリョースケ(Twitter )
ごめんね、ずっと…
君は僕と会わない方がよかったのかな
- Blues Harp:Akira Sunset(Twitter )
ボーダー
- Guitar:中土智博(Twitter )