概説
前作「太陽ノック」から約3か月ぶりのシングルである。
シングル表題曲初のWセンターを採用したシングルである。
Type-A・B・C・通常盤・ここさけ盤の5形態で発売された。
収録曲全てが、2ndアルバム「それぞれの椅子」に収録されている。
収録曲6曲のうち、3曲の作曲・編曲をAkira Sunsetが手掛けた(いずれも共作である)。
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楽曲一覧
- 今、話したい誰かがいる[04:24]
作詞:秋元康/作曲・編曲:Akira Sunset・APAZZI
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映画「心が叫びたがってるんだ。」主題歌、及び、JR東日本ウォータービジネス「From AQUA~谷川連峰の天然水~」CMソング。8thシングル「気づいたら片想い」を作曲したAkira Sunsetが、トラックメイカーのAPAZZIと共に作曲・編曲を務めた。歌詞は、映画の脚本・岡田麿里が総合プロデューサー・秋元康に映画の内容を説明し、秋元がそれに沿う形で書き下ろし。映画の内容と繋がる「ドンピシャの歌詞」に仕上がった。
綺麗なピアノトラックをバックに、アコースティックギターとベースが静かに優しく鳴る楽曲。孤独を好む主人公「僕」が、初めて一緒にいたいと思える異性「君」に出逢う姿を描いている。シーソーを避けていたブランコ好きの「僕」が、一本のコーラを「君」と二人で飲み交わし、「君とだったら シーソー乗ってみよう」と思い始めるまでの軌跡を丁寧に描写。乃木坂46の高く澄んだ歌声が、友情の温かさ・恋の切なさ・誰かといることの大切さを表現しているように聴こえる。話したい誰かがいることの幸せを、優しく切なく温かく丁寧に綴った、心に寄り添う至高の一曲である。
個人的には、歌詞・旋律・音色・歌声全てが好きだが、特に「一人でいるのが 一番楽だった」と語る「僕」を描いた歌詞が好きである。尚、作曲・編曲のAkira SunsetとAPAZZIは、Akira Sunsetが制作した11thシングル収録曲「君は僕と会わない方がよかったのかな」の採用が決定した日に、歌手・Che'Nelleの制作現場で初めて顔を合わせた(Twitter より)。
- 嫉妬の権利[05:18]
作詞:秋元康/作曲・編曲:丸山真由子
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共通カップリング曲。アンダーメンバーが歌唱する(共通カップリング曲をアンダーメンバーが歌唱するのは、1stシングル「ぐるぐるカーテン」以来である)。この楽曲も、表題曲「今、話したい誰かがいる」同様、Wセンターを採用。片想いの男子に嫉妬し、自己嫌悪する女子の心情を描いている。曲中では、高音のピアノと低音のエレキギターがそれぞれ主張。前者が繊細な恋心を、後者が醜い嫉妬心を表しているように感じる。嫉妬の権利がない女子の罪悪感を描いた、切なく苦しい片想いの楽曲である。
個人的には、表題曲が片想いの「陽(恋で抱く優しさや温かさ)」を、この楽曲が片想いの「陰(恋で抱く妬みや憎しみ)」を表しており、表題曲とアンダー楽曲で明確な差別化を図っているように感じた。尚、2番Aメロで登場する「House of cards」は、政治家の復讐を描いたサスペンス政治ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」のことである。
- ポピパッパパー[04:02]
作詞:秋元康/作曲・編曲:Akira Sunset・ha-j
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Type-A収録楽曲。サマンサタバサ「Samantha Thavasa Petit Choice」CMソング。選抜メンバーが歌唱する。スキャットマン・ジョンのデビューシングル「Scatman(ski-ba-bop-ba-dop-bop)」のオマージュソングで、「We're Nogizaka46…」のメロディーは、原曲とほぼ同じものになっている(YouTube公式MV 参照)。半濁音を多用した癖の強いEDMで、サビで登場する英単語も全て「P」から始まっている。Nogizaka46の新たな可能性を感じさせる、純な言霊を秘めたスキャットソングである。
個人的には、曲中のスキャット(意味のない音をメロディーに合わせて即興で歌う歌唱法/「ポピパパッポピピップ」「パピパパポピぺポン」等)と、サビ直前の高速巻き舌が好きである。また、曲中のスキャットから、アニメ「ポプテピピック」を連想した。尚、Akira Sunsetと作曲・編曲を務めたha-jによると、子音にPのつく言葉は良い作用があるという(Twitter より/ha-jが尊敬する作詞家・PA-NONの受け売りである)。
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- 大人への近道[05:17]
作詞:秋元康/作曲・編曲:古川貴浩
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Type-B収録楽曲。サンクエトワールが歌唱する(サンクエトワール(Cinq Etoiles)は、フランス語で「5つ星」を意味する)。切なげなピアノから始まる繊細な楽曲。通学バスでよく会う男子に片想いをした、女子高通いの少女を主人公にした楽曲である。曲中では、恋に対する免疫のなさや、「いい子」を望む親の存在を表す描写が登場。「それらの枷を外して、大人への近道を歩こう」という、少女の決意と自立心を歌っている。女の子から女性になりたい成長意欲を描いた、優しく柔らかい音色の楽曲である。個人的には、題名がAKB48の28thシングル収録曲「大人への道」に、間奏の音色が前作収録楽曲「制服を脱いでサヨナラを…」に似ていると思った(後者の作曲・編曲は、この楽曲と同じ古川氏が務めた)。
- 悲しみの忘れ方[04:29]
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Type-C収録楽曲。自身主演のドキュメンタリー映画「悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46」主題歌。12thシングル「太陽ノック」選抜メンバーが歌唱する。当初は2ndアルバム「それぞれの椅子」で初収録される予定だったが、映画主題歌として初公開して以来、ファンからの早急な音源化の要望が相次いだため、その要望に応える形で本作に収録された(公式サイト より)。
繊細なピアノが目立つ爽やかな音色の楽曲。木漏れ日の下を歩く少女達が、暗くて見えない道を歩いた過去を想う楽曲となっている。曲中には、「つらいこともいっぱいあった」「ケンカだっていっぱいしたよ」等、5年間で経験した苦難を表す言葉が登場。悲しみを味わいつつも、それを糧に頑張り続けた彼女達の軌跡が窺える。迷い悩み傷つき、それでも前を向き続ける少女達の姿を描いた、乃木坂46の記念碑的楽曲である。
- 隙間[05:02]
作詞:秋元康/作曲・編曲:Akira Sunset・Carlos K.
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通常盤・ここさけ盤収録楽曲。6thシングル収録曲「他の星から」、及び、9thシングル収録曲「僕が行かなきゃ誰が行くんだ?」歌唱メンバーが歌唱する。薄暮の風景を想像させるピアノトラックの楽曲。「隙間を大事にして ゆっくり生きて行きたい」という主人公の気持ちを歌っている。「人生を自分のペースで歩いて行こう」と諭す、秋の夕暮れ時に聴きたいバラードナンバーである。個人的には、前奏・間奏・後奏の滑らかなピアノ、及び、2番サビ直後の「WOW WOW」とバックの音色が好きである。
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歌唱メンバー
※ センターポジションは赤で表示今、話したい誰かがいる |
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秋元真夏・生田絵梨花・生駒里奈・伊藤万理華・井上小百合・衛藤美彩・齋藤飛鳥・桜井玲香・白石麻衣・高山一実・西野七瀬・橋本奈々未・深川麻衣・星野みなみ・松村沙友理・若月佑美 |
嫉妬の権利 |
伊藤かりん・伊藤純奈・川後陽菜・川村真洋・北野日奈子・斎藤ちはる・斉藤優里・相楽伊織・佐々木琴子・新内眞衣・鈴木絢音・寺田蘭世・中田花奈・中元日芽香・永島聖羅・能條愛未・樋口日奈・堀未央奈・山﨑怜奈・渡辺みり愛・和田まあや |
ポピパッパパー |
秋元真夏・生田絵梨花・生駒里奈・伊藤万理華・井上小百合・衛藤美彩・齋藤飛鳥・桜井玲香・白石麻衣・高山一実・西野七瀬・橋本奈々未・深川麻衣・星野みなみ・松村沙友理・若月佑美 |
大人への近道 |
北野日奈子・寺田蘭世・中田花奈・中元日芽香・堀未央奈 |
悲しみの忘れ方 |
秋元真夏・生田絵梨花・生駒里奈・伊藤万理華・井上小百合・衛藤美彩・齋藤飛鳥・斉藤優里・桜井玲香・白石麻衣・新内眞衣・高山一実・西野七瀬・橋本奈々未・深川麻衣・星野みなみ・松村沙友理・若月佑美 |
隙間 |
伊藤万理華・井上小百合・斉藤優里・桜井玲香・中田花奈・西野七瀬・若月佑美 |