概説
前作「好きというのはロックだぜ!」から約3か月ぶりのシングルである。
ライヴ中の転落事故による負傷で療養中の掛橋沙耶香と、体調不良でグループ活動一部休止の清宮レイは、いずれの楽曲にも参加していない。
ジャケットは、複数の写真を一枚に重ねる「多重露光」をモチーフに制作された。
Type-A・B・C・D・通常盤の5形態で発売された。
初選抜の林瑠奈は、収録曲7曲のうち3曲に参加した(本作の参加曲数ではメンバー最多である)。
各種音楽ストリーミングサービスで配信される「Special Edition」は、発売一週間前に解禁されるのが通例だが、本作は発売日当日に解禁された。
2023年2月10日、日本レコード協会 がミリオン作品と正式に認定。25thシングル「しあわせの保護色」以来3年ぶりで、2023年度初のミリオンシングル作品となった。
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楽曲一覧
- ここにはないもの[05:11]
作詞:秋元康/作曲:ナスカ/編曲:the Third
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1期生の最年少メンバー・齋藤飛鳥のラストセンター楽曲。21stシングル「ジコチューで行こう!」のナスカが作曲。10作ぶりにナスカ & 飛鳥(NAZCA & ASKA)の布陣となった。ナスカの代名詞と言えるラップ調メロディーが特徴。滑らかで煌びやかなピアノが響く楽曲で、卒業する齋藤の胸中・不安・決意・感謝を綴っている。まだ見ぬ世界の先へ飛び立つ一羽の鳥の姿を描いた、一つの時代の終わりを感じさせる楽曲である。
個人的には、曲全体のピアノ & ベースと、齋藤を的確に表現した1番Aメロの歌詞「大人たちに虚勢を張る姿」「思い悩み背中を丸める無防備な自分」が好きである。また、曲中の各フレーズが、過去のシングル表題曲の題名を指しているように感じた(詳細は下記参照)。
№ | フレーズ | 初登場箇所 | シングル表題曲 |
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1 | サヨナラ | 1番Bメロ | 16thシングル「サヨナラの意味」 |
2 | カーテン | 2番Aメロ | 1stシングル「ぐるぐるカーテン」 |
3 | 太陽 | 2番Aメロ | 12thシングル「太陽ノック」 |
4 | 希望 | 2番Aメロ | 5thシングル「君の名は希望」 |
5 | 裸足 | 2番Aメロ | 15thシングル「裸足でSummer」 |
6 | しあわせ | 落ちサビ | 25thシングル「しあわせの保護色」 |
- 悪い成分[04:20]
作詞:秋元康/作曲・編曲:若林充
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共通カップリング曲。アンダーメンバーが歌唱する。アコースティックギターが主張的な楽曲。手が早い悪い奴「あいつ」のことを好きになった「私」の胸中を描いている。曲中では、「殺せるものなら殺しなさい」と、強気な言葉が登場。「地獄の底に堕ちてもいいから「あいつ」を愛したい」という、「私」のピュアな心情が窺える。"悪い成分"入りの恋に溺れ堕ちる姿を描いた、表題曲に引けを取らない秀逸な楽曲である。個人的には、曲全体のアコースティックギターと、センター・中村麗乃のソロパートが好きである。また、サビ直前のユーロビート風リズムパートと、間奏のエレキギターも好きである。
- これから[04:53]
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Type-A収録楽曲。齋藤飛鳥の卒業ソング。儚いピアノとアコースティックギターが響く楽曲。自然に身を任せつつ、勇気を持って明るい未来に進んでいく、卒業間近の齋藤の心情を描いている。細く澄んだ歌声が非常に魅力的。息遣いや力強い「から」(「これから」「晴れだと信じてるから」)からは、一人で自分の道を歩く強い決意が窺える。これから最初の一歩を踏み出す齋藤の雄姿を歌った、切なくも温かい楽曲である。
- 銭湯ラプソディー[04:03]
作詞:秋元康/作曲・編曲:本田正樹
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Type-B収録楽曲。銭湯ガールズが歌唱する。題名通り、銭湯を題材としたポップチューン。「失恋の時や疲れた時、悲しいことに出遭った時は、銭湯にひとっぷろ浴びに行こう!」と歌っている。聴くだけでご機嫌になり極楽気分を味わえる、銭湯の情景が絵に浮かんでくる微笑ましい楽曲である。個人的には、グルーヴィーで陽気な音色と、銭湯用語が多数登場する歌詞が好きである(前者は、時々聴こえるパーカッションが好きである)。尚、題名の「ラプソディー」は、民族楽器を多用した、民族的・叙事的な自由形式の器楽曲を指す。
- アトノマツリ[05:02]
作詞:秋元康/作曲・編曲:藤田卓也
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Type-C収録楽曲。4期生5名が歌唱する。エレキギターが印象に残るR&Bナンバー。渋谷駅で「君」と破局し電車に飛び乗った「僕」が、山手線を一周回って再び「君」に会う姿を描いている。AメロとCメロでは、北川悠理と林瑠奈のラップを展開。30thシングルアンダーライブで披露された、「無表情(RAPver)」が蘇る演出となっている(詳細は、2022年11月5日の林瑠奈のブログ「届け 」参照)。山手線の一周と儚い恋愛を掛け合わせた、後の祭りの恋心を歌った楽曲である。個人的には、北川の歌声が好きである。
- 甘いエビデンス[04:31]
作詞:秋元康/作曲:坂本麗衣/編曲:ツタナオヒコ
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Type-D収録楽曲。歌唱力に定評のあるメンバー5名が歌唱する。キーボードとワウギターが印象的な楽曲。気になる男性を振り向かせ、早く形に残したいという女性の心情を描いている。オルガン・ピアノ・エレキギター等、曲全体の音色が妖艶。高い歌唱力から放つ「突き出した唇」「初めての経験」が、甘く濃厚な夜の世界を想像させてくれる。「エビデンスはないけれど、今の気持ちや感情をカタチにしなくちゃ」と歌った、淡く麗しいセクシーなラブソングである。
個人的には、曲全体の音色が好きである(特に、全体のオルガンと、時折鳴るピアノグリッサンド、前奏・間奏のワウギターと、勢いが凄い間奏のエレキギターが好きである)。また、乃木坂46楽曲では珍しい「アタシ」と「アンタ」も好きである(乃木坂46楽曲では、「僕」と「君」、「私」と「あなた」が通例である)。
- 17分間[05:32]
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通常盤収録楽曲。5期生が歌唱する。エレキ & アコースティックギター中心の楽曲。朝の通学バスの中で17分間だけいられる、好きな女の子「君」に恋する「僕」の姿を描いている。間奏では、切なげなピアノパートが登場。「君」と同じ時間・空間・空気を共有できる、17分間の切なさや尊さを表現している。5期生の可愛さと初々しさが詰め込まれた、フレッシュな王道青春恋愛ソングである。
個人的には、曲全体の歌詞・音色と、センター・川﨑桜のソロパートが好きである(歌詞はサビの「大好きだI・N・G!」が、音色は曲全体のギター・ピアノが好きである)。また、APAZZI編曲、生音に聴こえるギター中心のトラック、転調多めの特徴が、AKB48の60thシングル「久しぶりのリップグロス」に似ていると感じた。
歌唱メンバー
※ センターポジションは赤で表示ここにはないもの |
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秋元真夏・岩本蓮加・梅澤美波・遠藤さくら・賀喜遥香・金川紗耶・久保史緒里・齋藤飛鳥・阪口珠美・柴田柚菜・鈴木絢音・田村真佑・筒井あやめ・早川聖来・林瑠奈・山下美月・弓木奈於・与田祐希 |
悪い成分 |
伊藤理々杏・北川悠理・黒見明香・佐藤璃果・佐藤楓・中村麗乃・松尾美佑・向井葉月・矢久保美緒・吉田綾乃クリスティー |
銭湯ラプソディー |
梅澤美波・金川紗耶・田村真佑・山下美月・与田祐希 |
アトノマツリ |
遠藤さくら・賀喜遥香・北川悠理・林瑠奈・弓木奈於 |
甘いエビデンス |
伊藤理々杏・久保史緒里・柴田柚菜・中村麗乃・林瑠奈 |
17分間 |
五百城茉央・池田瑛紗・一ノ瀬美空・井上和・岡本姫奈・小川彩・奥田いろは・川﨑桜・菅原咲月・冨里奈央・中西アルノ |