概説
前作「PAGES」から約1年ぶりのアルバムである。
既発曲は、17thシングルである。
題名の読みは「ポップステップ」。「様々なポップソングを『Sexy Zone』というフィルターを通して東京から発信する!」をコンセプトに、過去作と比べても更にポップスに言及。東京が世界的にフィーチャーされる2020年に相応しいアルバムとなっている(2020年は東京五輪が開催される予定だったが、新型コロナウイルスの世界的流行により、2021年7月に延期された)。
前作同様、メンバーの松島聡は、突発性パニック障害の療養のための活動休止で不参加となっている。また、メンバーのマリウス葉が参加した最後のオリジナルアルバムとなった。
Kai Takahashi (LUCKY TAPES)・金井政人 (BIGMAMA)・tofubeats・タナカヒロキ (LEGO BIG MORL)・chelmicoから楽曲提供を受けている。
初回限定盤A・B・通常盤の3形態で発売された。
通常盤のDisc2には、メンバーのソロ楽曲が収録されている(全員が制作に参加した)。
通例では「Trumpet・Trombone・Saxophone」の順でクレジットされるが、本作では「Saxophone・Trumpet・Trombone」の順にクレジットされている。また、Programmingクレジットは削除されている。
2020年3月24日、ポニーキャニオンからTop J Recordsへの移籍が発表されたため、本作がポニーキャニオンからリリースされた最後のCD作品となった。
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楽曲一覧
Disc1
- 極東DANCE[04:45]
作詞:多田慎也/作曲:A.K.Janeway・多田慎也/編曲:GRP
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本作のリード楽曲。自身出演のAOKIフレッシャーズCMソング。編曲・GRP演奏のギターが唸るポップチューンで、日本・東京の雅な魅力を力強く訴えている。「風林火山」「和を以て尊しとなし」「黒船」「花には実 雪は富士(忍術伝書『万川集海』に登場する合言葉)」「人にしられで くるよしもがな(百人一首25番)」等、日本の歴史に登場する単語が多数登場。流暢な英語フレーズも多数登場しており、和と洋が絶妙な塩梅で融合している。誇り高きSpirits of NIPPONを歌い上げた、物見遊山をしたくなる痛快な楽曲である。個人的には、曲全体のエレキギターと草川瞬のコーラス、曲中の極東要素と諺・四字熟語が好きである。
- 恋のモード[03:35]
作詞・作曲:浅利進吾/編曲:CHOKKAKU
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浅利進吾作詞・作曲、CHOKKAKU編曲楽曲。好きな「君」に夢中になる「僕」の姿を描いている。ベース・ブラス・ストリングス・ギター・コーラス等が特徴。「君」にときめく「僕」の喜びを、可愛くポップに表現している。恋のモードに入った「僕」の純真無垢な気持ちを歌った、クールでセクシー、ゴージャスかつグラマラスな楽曲である。個人的には、歌詞・旋律・音色・歌声全てが好きである(特に、可愛く弾ける素敵なブラスと、サビ・間奏のコーラス「Hey!」、落ちサビ直前のピアノグリッサンドが好きである)。
- 禁断の果実[03:56]
作詞:春和文/作曲:イワツボコーダイ・岩崎誠司/編曲:生田真心
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編曲・生田真心演奏のギターから始まる楽曲。大都会のジャングルをウロウロしていたジゴロの「俺」が、イカした「君」にハマる姿を軽快に描いている。禁断の果実を食べて楽園に堕ちる姿が浮かぶ、甘くシビれるイケない恋を歌ったポップチューンである。個人的には、曲全体で妖しく響くホーンセクションが好きである。また、Aメロの脚韻と該当箇所のコーラス、サビの「
ピー・ピー・ピー」と時折鳴るビブラスラップも好きである。尚、曲中の「俺」が名乗る「ジゴロ」は、女から金を巻き上げて生活する男(男妾)のことである。
- Honey Honey[03:58]
作詞:Kanata Okajima/作曲:原一博/編曲:CHOKKAKU
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2019年10月23日に発売された17thシングルの2曲目(詳細は当該ページを参照して下さい)。尚、Wikipediaには「編曲:ESME MORI」と誤表記されている。
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- タイムトラベル[04:18]
作詞:HIKARI/作曲:Victor Sagfors・HIKARI/編曲:CHOKKAKU
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同窓会に参加した「僕」の心情を描いた楽曲。片想いの「君」に対して再度込み上げた恋心を「タイムトラベル」と表現している。曲全体の音色(エレキギター・ベース・ブラス・コーラス等)がグルーヴィー。サビの裏声とサックス・竹上良成演奏のフルートが、大人さと上品さに一層磨きをかけている。臆病風に吹かれる「僕」の青くて儚い葛藤を歌った、まさかのオチに衝撃を受ける甘くて切ない楽曲である。個人的には、前述した音色と、作詞・HIKARIの特徴である独特なワードセンス(邪気・げに・大事故の痛み)が好きである。
- Blessed[04:15]
作詞・作曲・編曲:Kai Takahashi(LUCKY TAPES)
- Chorus:Gabby
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Kai Takahashi(LUCKY TAPES)提供楽曲。虚しさを覚えた「僕ら」が過ごす真夜中の様子を、浮遊感・脱力感ある音色に乗せて歌っている。曲中で「僕ら」は、真面目に日々を生きてきた過去は消えやしないことに気づき、夜明けと共に光・希望を抱いて曲が終了している。「It's enough you right now(今のままでも十分だよ)」と静かに歌った、昨日よりも今日を好きだと思えるようになれる楽曲である。
個人的には、曲全体の神聖な(Blessed)音色が好きである(特に、ストリングス・シンセサイザー・ベースが好きである)。また、曲中の「僕ら」が、ノースキャンダルを貫くSexy Zoneを表しているように聴こえた。
- BLUE MOMENT[05:10]
作詞:前迫潤哉/作曲:前迫潤哉・ツカダタカシゲ/編曲:石塚知生
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本作最長楽曲。憧れの場所(学校)で青春時代を過ごした「僕ら」が、卒業式に揃って夕陽を眺める姿を描いている。前迫潤哉が手掛けた歌詞が極めて明るく煌めいており、「僕ら」が過去・思い出を糧に輝く未来へ踏み出す様子がありありと伝わってくる。仲間の絆と明日への希望を切ない音色に乗せて歌った、甘さ・苦さ・しょっぱさを感じる感涙ミディアム・バラードである。
個人的には、曲全体の切ない音色と青春要素が好きである(前者は真部裕ストリングス演奏の弦が、後者は2番Aメロの「進路希望調査」が好きである)。尚、題名「BLUE MOMENT」は、夜明け前・夕焼け後の短時間のみ訪れる、辺り一面が青い光に照らされて見える現象である(天気が良かった雲のない空気の澄んだ日にだけ現れる現象で、「僕ら」の輝いていた過去・輝く未来を表しているように感じた)。
- 〇△□[04:20]
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記号のみの題名が印象に残る楽曲。いたいけなホーンセクションが魅力的なポップチューンで、「HAPPYになれるカタチを一緒にひとつ見つけよう」と楽しげに歌っている。サビの「まるさんかくしかく」と直後のクラップがキャッチーな、秘めたる無限の可能性を信じたくなる楽曲である。個人的には、前述のホーンの他、度々鳴る大太鼓やストリングスが好きである。また、魅力的な男性を「〇△□」で評した1番Aメロの歌詞も好きである。尚、編曲と演奏は「禁断の果実」と同一である。
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- ダヴィンチ[03:39]
作詞:MiNE/作曲:川口進・MiNE・Atsushi Shimada/編曲:Atsushi Shimada
- Bass:二家本亮介
- Guitar:Atsushi Shimada
- Chorus:MiNE
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ドラム・ベース・エレキギターが激しく唸るロックチューン。SNSに翻弄され、醜い争いを繰り返す現代社会に対する皮肉を軽快に歌っている。曲中では、名画『モナ・リザ』の作者であるレオナルド・ダ・ヴィンチが登場。天才である彼に対して「芸術はどこ?」と尋ねる一方、「モナリザとツーショでも撮ろうか」と馴れ馴れしく発言。面白味と遊び心に溢れた歌詞となっている。「モナ・リザの微笑には世界への皮肉が込められている」という独自解釈を歌った、癖になること間違いなしの痛快バンドナンバーである。
個人的には、曲全体の音色の他、MiNEのサビのコーラスと、Cメロ・ラスサビで微かに鳴るピアノが好きである。また、SNS社会と東京五輪で騒ぐ日本をコミカルに描いた歌詞も好きである。
- まっすぐのススメ![04:17]
作詞:金井政人(BIGMAMA)/作曲:川口進・MORISHIN/編曲:川口進/管編曲:兼松衆
- Drums:河村"カースケ"智康
- Bass:二家本亮介
- Guitar:増崎孝司
- Tenor Saxophone:本田雅人
- Trumpet:エリック・ミヤシロ
- Trombone:半田信英
- Chorus:Ko-saku
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金井政人(BIGMAMA)提供楽曲。腐れ縁で幼馴染みの「君」に「好き」の二文字が言えない主人公の姿を描いている。曲中では、主人公の気弱な様子を「ウサギさんマインド」「チキンライスハート」と描写。軽快に響くブラスが、告白に二の足を踏む様子を表現している。少しずつでも確実に一歩を踏み出す姿を歌った、キャッチー・ポップな要素満載のバンドナンバーである。個人的には、曲全体の音色が好きである(特に、前述のブラスと河村"カースケ"智康のドラム、Bメロのコーラスと時折鳴るピアノが好きである)。
- Tokyo Hipster[03:48]
- Drums:伊藤大地
- Bass:安達貴史
- Guitar:真壁陽平
- A.Piano:トオミヨウ
- Percussion:朝倉真司
- Strings:室屋光一郎ストリングス
- Alto Saxophone, Flute & Piccolo:庵原良司
- Tenor Saxophone:竹上良成
- Trumpet:Luis Valle・村上基
- Trombone:鹿討奏・榎本裕介
- Harp:朝川朋之
- Chorus:竹内浩明
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三浦徳子が作詞を務めた本作のトンチキソング。名高い音楽プロデューサー・本間昭光が作曲を、トオミヨウが編曲を務めた。豪華オーケストラ陣による上品・高貴な音色が特徴。「渋谷あたりは谷底で 銀座はまだ海だった」や、「石器時代」「アルタミラ」「ホモ・サピエンス」「ドリル」等、奇抜なフレーズが多数登場している。「大切なのは太陽の光と愛とキミだ」と歌った、独特な世界観に惚れ惚れする楽曲である。
個人的には、曲全体の豪華な音色が好きである(特に、ラスサビ直前のドラム・ピアノ、最後のハープが好きである)。尚、題名にある「Hipster」は「流行に敏感な人」のことである。また、前述した「アルタミラ」は、世界文化遺産の洞窟壁画がある、スペイン北部の洞窟「アルタミラ洞窟」のことである。
ちなみにこの楽曲は、題名を決めてイメージを共有した後、作曲→作詞→編曲のプロセスで制作された(本間氏のTwitter より)。また、編曲は本間氏のオファーでトオミ氏に決定。トオミ氏はオファーを「期末試験」と形容し、本間氏はトオミ氏の編曲を高く評価した(トオミ氏のTwitter より)。
- MELODY[04:28]
作詞・作曲・編曲:tofubeats
- Chorus:tofubeats
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音楽プロデューサー・tofubeats提供楽曲。ギター・ブラス・シンセ・コーラスを中心とした楽曲で、「君」と「僕」を繋いでいるメロディの不思議さについて、安心感ある朗らかな声に乗せて歌っている。「今覚えたばかりの歌を一緒に歌ってみよう」と優しく誘った、大切な友達との絆を感じる一曲である。個人的には、曲全体の歌詞と音色が好きである。尚、Real Sound はこの楽曲を、「歌メロから各パートのフレージング、オートチューン使いでtofubeatsのカラーをかなり押し出している」と評した。
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- One Ability[03:49]
作詞:MiNE/作曲:STEVEN LEE・MiNE・Atsushi Shimada/編曲:Atsushi Shimada/弦編曲:田渕夏海
- Guitar:Atsushi Shimada
- Strings:室屋光一郎ストリングス
- Chorus:MiNE
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「ダヴィンチ」を手掛けたMiNE・Atsushi Shimada 制作楽曲。サビで響くストリングスが切ないミディアムバラードで、別れた「君」を忘れられない「僕」の悲しみを歌っている。「君」を愛する事しか出来ない「僕」の姿に胸が痛む、繊細な声が魅力的な悲しみのBluesである。個人的には、曲中のリズムトラックが、Bruno Marsの15thシングル「Finesse」のリズムトラックに似ていると感じた(YouTube 参照/前作収録楽曲「Wonder Love」同様、オマージュであると思われる)。
- それでいいよ[05:00]
作詞:Ms.Mimosa・イワツボコーダイ/作曲:イワツボコーダイ・源田爽馬/編曲:源田爽馬
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イワツボコーダイ作詞・作曲楽曲(作詞はMs.Mimosaことmiwaflowerと、作曲は編曲の源田爽馬と共作である)。アコースティックギターから始まる優しい世界観の楽曲。少しネガティヴで臆病な性格を持つ「君」に対して、「それでいいよ」と朗らかな声で励ましている。大きな愛や温もりを感じる素敵な歌詞が特徴。聴くだけで、「自分は独りじゃない」と安心することができる。一人でお風呂で泣いてしまうほど不安で悲しい時に聴きたい、存在・頑張りを認めてくれる温かい楽曲である。
個人的には、歌詞・旋律・音色・歌声全てが好きである(特に、一人だけ長く歌う、中島健人の最後の「旅へ」が好きである)。尚、本作収録楽曲の中で、唯一コーラスクレジットのない楽曲となっている。
- 麒麟の子[04:21]
作詞:EARSY/作曲:イワツボコーダイ・吹野クワガタ/編曲:吹野クワガタ
2019年10月23日に発売された17thシングルの1曲目(詳細は当該ページを参照して下さい)。
- HIKARI[03:54]
作詞:タナカヒロキ(LEGO BIG MORL)/作曲:Simon Janlov・辻村有記/編曲:Simon Janlov
- Chorus:Ko-saku
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タナカヒロキ(LEGO BIG MORL)提供楽曲。光り輝く希望を感じる歌詞と歌声が特徴的で、鼓舞激励フレーズ(「頑張りすぎないで頑張って!」等)も多数登場している。「僕にとっての光は君だ」と爽やかな声で歌った、前を向いて歩き出して行く力をくれる楽曲である。個人的には、Ko-sakuによる曲全体(特にサビ)のコーラスと、2番サビの歌詞「失敗とは転んだあと立ち上がらないこと」が好きである。尚、題名は「HIKARI」だが、「タイムトラベル」のHIKARIは制作に参加していない。
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Disc2
※ 通常盤のみ
- Show must go on[04:13]
作詞:佐藤勝利/作曲:Henri Vuortenvirta・佐伯youthK/編曲:船山基紀・HENZO
- Guitar:増崎孝司
- Tenor Saxophone:本田雅人
- Trumpet:エリック・ミヤシロ & 西村浩二
- Trombone:中川英二郎
- Strings:石亀協子ストリングス
- Chorus:佐伯youthK
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佐藤勝利のソロ楽曲。自身が作詞を務めた。ステージの上を連想させる昭和歌謡曲風の楽曲。前年に逝去したジャニーズ事務所社長・ジャニー喜多川の精神「Show must go on(ショーは続けなければならない)」を題材としている。「これからずっと踊り歌い走り続けていく」と誓った、佐藤の覚悟が伝わってくる豪華・高貴な楽曲である。尚、船山基紀と編曲を務めた「HENZO」は、コーラス・佐伯youthKと共に作曲を務めたHenri Vuortenvirtaの筆名である(Instagram より)。
- SHE IS...LOVE[03:29]
- Chorus:中島健人
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中島健人のソロ楽曲。自身が作詞・作曲・コーラスを務めた。耳元を刺激するセクシーな歌声が特徴。傷だらけで倒れそうな「僕」のことを救ってくれた、愛する「君」への想いや気持ちを軽快に歌っている。サビの「SHE IS...La La La La La LOVE」が極めてキャッチー。Cメロのラップやラスサビ直前のはにかみ等々、中島のクールな魅力が随所に凝縮されている。揺れる髪・透き通った瞳・肌が想像できる、美しい「君」への愛を歌ったセクシー・ラブソングである。個人的には、前述した中島の歌声が好きである。また、2番Aメロで登場する「嫉妬」「Because of」が、前作のソロ楽曲「Because of 愛」を意識しているように聴こえた。
- HAPPY END[03:51]
作詞:Rachel・Mamiko・Fuma/作曲:三毛猫ホームレス・Mamiko/編曲:三毛猫ホームレス
- Chorus:chelmico・菊池風磨
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菊池風磨のソロ楽曲。2人組女性ラップデュオ・chelmico提供楽曲で、菊池が2人と作詞・コーラスを務めた(作詞はFuma名義である)。脱力感あるトラックと菊池の歌声が魅力的。菊池が一人三役(1番Aメロの浮気彼女・2番Aメロの彼氏・2番A'メロの本命彼女)を務めており、どの視点で聴くかで聴こえ方の変わる楽曲になっている(RachelのTwitter より)。夜更けの三角関係をセクシー・アンニュイに歌い上げた、HAPPY ENDになると思えない洗練された楽曲である。
- all this time[04:17]
作詞:マリウス葉・Kanata Okajima/作曲:Andy Love・Anderas Oberg・Christoffer Semelius/編曲:Christoffer Semelius・Anderas Oberg
- Chorus:Gabby
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マリウス葉のソロ楽曲。自身が作詞を務めた(Kanata Okajimaと共作)。切なさを帯びた声とギターサウンドが特徴。今までの人生でマリウス自身が抱いた思いを、流暢な英語に込めて優しげに歌っている。大人に成長したマリウスの胸中が詰め込まれた、聴く人に安心感と救いを与えるバラードである。個人的には、「嬉しいことも 悲しいことも 全てで人生で それでいい」「みんな違って良い」等々、人生を深く理解したような歌詞が好きである。尚、ブックレットには、左側に英詞、右側に日本語訳が記載されている。
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